
世はまさにポイント合戦時代。様々な企業がどうにか自社サービスに引き込もうと、還元率だったりポイント付与だったりで争っている。
僕のような人間はその波に乗りながら、のらりくらり各社のポイントを享受しているわけだが、中にはそういったのを好まず平穏がいいという人もいるだろう。
というわけで今回は、いちいちポイントとかを考えるのがめんどくさいという人のために、そういった人が選ぶべきクレジットカードを検討していく。
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目次
最近はポイント還元が複雑化

そもそも何でこんな悩みを抱える人が出てきてしまうのかと言う話なんだけど、僕の予想としてはポイント還元の複雑化が主な原因だと思っている。
日々クレジットカードの情報を追っている物好きであればわかると思うけど、最近のポイント還元は付与条件や還元率だったりが非常にわかりづらくなっているんだ。
とりあえず選んどけの代表だった楽天カードも今は還元が下がったり対象外になる使い道がかなり増えたし、有名どころの三井住友カードも還元周りがややこしい。
それに加えポイント合戦に参入する企業の数も以前と比べるとかなり増え、ぱっと見で全容を掴むのがかなり難しくなってしまった。
その結果、そもそも還元を追い求めるのが億劫になる人が誕生してしまったのだ。...と言うのが、僕の妄想。
なるべくシンプルで、そこそこ高還元な汎用性の高いカード

このような事情がないにしても、還元を追い求めるのはめんどくさい、そこにあまり時間を使いたくないと言う人は多いだろう。
で、そう言う人が求めているのは「なるべくシンプルで、なおかつそこそこ高還元な汎用性の高いカード」になる。多分。
この理想像になるべく近いカードを探すのが今回の記事の目的。と言うわけで長くなったが、早速検討を進めていこう。
今回のお題に適していないカードの条件

いろいろ探していく前に、まずはあまり好ましくないカードの条件を定めておこうと思う。それが以下の4つ。
- 基本還元率が低いカード
- 年間一定額利用しないと還元率が低いカード
- 年会費が有料のカード
- ポイントが使いづらいカード
基本還元率が低いカード
これはもう前提条件みたいなもの。基本還元率が低いと、どうしてもとりあえず使うメインカードとしての運用は難しくなる。
最低でも1.0%以上の基本還元率があるのが好ましい。
年間一定額利用しないと還元率が低いカード
世の中にはエポスゴールドや三井住友ゴールド(NL)のように、特定の金額を使うことで高還元になる系のカードがあるが、今回はそれも除外。
理由は単純に、「還元率のために決済額を調整するのがめんどくさい」から。
あくまで、今回探すのは「なるべくシンプルでめんどくさくないカード」。条件を満たさなくてもある程度高還元なのが好ましい。
年会費が有料のカード
年会費が発生する系のカードも除外。
年会費が発生するとどうしても元を取るために意識してしまい、年間一定額利用しないと還元率が低いカードと似たような現象が起きてしまう。
ちなみに、年会費が発生するカードの中には「特定の条件を満たすと無料になる」カードがあるが、これは「1回でも使えば無料になる」系であれば除外せずに含めることにする。
ポイントが使いづらいカード
これも重要。いくら還元率が高くても、ポイントが使いづらかったら意味がない。
とにかくシンプルで、尚且つサックと使えるのが好ましい。
候補は以下の3つ

さて、ふるい分けが終わったところで、早速残ったカードを比較検討していこう。個人的にいいなと思ったのはこの3つ。
- リクルートカード
- P-one wiz
- Likeme by saison card
この他には楽天カードも候補に入れようと思ったけど、公共料金の支払いで還元率が下がる点などを考慮して今回は除外することにした。
多分ほかにもいいカードはあると思うので、もしよければInstagramのコメントとかで教えて欲しい。(→プラアルのInstagram)
ざっくりと解説
この3つのカードは、ほかの記事でも何回か紹介している有名カードなので、ここでの詳しい解説は省かせてもらう。
一応ざっくり解説すると、リクルートカードは基本還元率1.2%で海外旅行保険のほかに国内旅行保険やショッピング保険もついている汎用性の高いカード。
P-one wizは1%の割引に加えて最大0.4%相当になるポイントも貰える、年会費無料カードの中だと基本還元率が非常に高いカード。その代わり、リボ払い専用カード故の仕組みや付帯保険周りに若干癖がある。
Likeme by saison cardは常時1.0%の割引を受ける事ができて、この他にも海外旅行保険やセゾンカードに付帯しているサービスを受けられる、非常にシンプルなカード。
今回はこの3つを検討していくことにする。
比較検討してみる

還元率ではP-one wiz
まずは今回探求する上での肝となる還元率について検討していこう。
![]() リクルートカード | ![]() P-one wiz | ![]() Likeme | |
---|---|---|---|
基本還元率 | 1.2% | 1.0%+0.1% | 1.0% |
還元方法 | ポイント還元 | 割引+ポイント還元 | 割引 |
付与ポイント | リクルートポイント (1ポイント=1円相当) | ポケットポイント (1ポイント=3~4円相当) | - |
ポイント期限 | ほぼ永久 | 13ヶ月~ | - |
ボーナスポイント | - | 半年での利用額に応じて ボーナスポイント付与 | - |
還元対象外 | モバイルSuica、モバイル ICOCA、楽天Edyを除く 電子マネーチャージ | 電子マネー全般 ETCカード利用分 | 楽天Edy、nanaco、PiTaPa JAL Payチャージ |
特筆事項 | ・JCBブランドはモバイ ルSuicaのみ0.75%還元 で他対象外 ・全ブランドで電子マネ ーチャージは月30,000円 まで | - | デジタルはJCB、物理 はMasterCardのみ |
基本還元率はぱっと見リクルートが優秀に見えるが、P-one wizの利用で付与されるポケットポイントは交換先によっては3~4円相当になる。
それを考慮すると、P-one wizの実質的な還元率は1.3%~1.4%。微量ではあるがP-one wizの方が還元率が高い。
また、それに加えてP-one wizには一定額を利用する事でボーナスポイントがもらえる仕組みもあるため、人によってはさらに還元率を伸ばすことも可能だ。
対してリクルートカードとLikemeカードは、こういった還元率が伸ばせる仕組みは特に用意されていないので、良くも悪くも還元率は1.2%、1.0%のまま。
これらを含めると、還元率に関してはP-one wizが優れていると言えるだろう。
使える範囲はLikemeカードとリクルート

使える範囲に関してはLikemeカードとリクルートが優秀。
Likemeカードは公共料金や税金の支払いはもちろん、一部を除いた電子マネーへのチャージでも割引を受ける事ができる。
リクルートカードもモバイルSuicaやモバイルICOCA、楽天Edyへのチャージであれば上限はあるものの1.2%還元を得る事が可能。(一応、Apple Pay経由であればnanacoチャージでも還元を受けられる)
対してP-one wizは公共料金や税金の支払いは還元の対象となっているが、電子マネーチャージ全般とETCカード利用分は還元の対象外となっている。
そのため、ETCをよく利用する方やモバイルSuicaなどによくチャージをする方は、リクルートカードかLikemeカードの方が適していると言えるだろう。
ポイントの使いやすさはLikemeカード

ポイントの使いやすさに関してはLikemeカードが一番だろう。なぜなら、そもそも付与されるポイントがないから。
他社ポイントに交換したり、有効期限を気にする必要もない。「ポイント運用がめんどくさいなら最初から割引すればいい」という正にシンプルの極みな仕組みになっている。
リクルートカードはポイントを交換する手間はあるが、Amazon、Ponta、dポイントに等価で交換可能で、有効期限も使い続ける限りは延長され続けるのでほとんど気にしなくていいと、使い勝手は優秀。
P-one wizは1.0%分の割引はともかく、同時に付与されるポケットポイントが有効期限の延長がなかったり、交換先によってレートが変わったりと、上記二つに比べると使いづらさが目立つ印象。
全体的に一長一短

こうして眺めていくと、どのカードも一長一短といった感じで一概に優劣をつけづらい。
還元率の高さはP-one wizが一番優れているが、還元対象外の多さやポイントの使いずらさがネックになる。
Likemeカードは還元対象外が今回紹介したカードの中では比較的少なく、還元の仕組みも非常にわかりやすい。その代わり、還元率は1.0%に留まる。
リクルートカードはこの二つの間といった感じ。還元率は1.2%でそこそこ、電子マネーチャージも一部ではあるが対応しており、ポイントの使い勝手も優れている。
どれが一番かは、各々のライフスタイルによって変わってくるだろう。
その他の機能を比較

還元率周りの比較が終わったところで、次は付帯保険などの機能についても見ていこう。
![]() リクルートカード | ![]() P-one wiz | ![]() Likeme | |
---|---|---|---|
旅行保険(海外) | 最高2,000万円(利用) | - | 最高3,000万円(利用) |
障害疾病治療 | 100万円 | - | 100万円 |
旅行保険(国内) | 最高1,000万円 | - | - |
ショッピング保険 | 年間200万円 | 年間50万円 | - |
家族カード | 無料 | 無料 | 無料(digitalは発行不可) |
ETCカード | 年会費/無料 発行手数料/1,100円(JCB無料) 更新手数料/無料 | 年会費/1,100円 発行手数料/1,100円 更新手数料/1,100円 | 年会費/無料 発行手数料/無料 更新手数料/無料 |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB | Visa、Mastercard、JCB | Mastercard JCB(digital限定) |
追加機能 | QUICPay、Apple Pay Google Pay(JCBのみ) タッチ決済(JCBのみ) | iD、Apple Pay | QUICPay Apple Pay、Google Pay タッチ決済(JCBのみ) |
利用通知機能 | アプリ(JCBのみ) | - | アプリ |
付帯保険はリクルートが優秀

付帯保険に関してはリクルートカードがかなり優秀。海外旅行保険に加えて、年会費無料のカードでは比較的珍しい国内旅行保険とショッピング保険も兼ね備えている。
Likemeカードは海外旅行保険のみと年会費無料のカードとしては一般的な内容。
P-one wizはあまり付帯保険が充実していない。旅行にカードを持っていきたい人には適さないだろう。
機能面はP-one wizが弱め

機能面に関してもP-one wizは使いずらさが目立つ。
特にETCカードが年会費、手数料共に発生する仕組みになっているので、ETCカードの利用分が還元対象外なことも相まって高速をよく利用する人にはあまりお勧めできない。
リクルートカードはJCBを選択するかVISA・Mastercardを選択するかで機能面がかなり変わってくる。還元率で優秀なのはMastercardだが、機能面を重視するならJCBが最適になってくるだろう。
どんな人にオススメか

と、こんな感じで各カードの比較は以上。最後に、メリットとデメリットをまとめて各カードがどんな人にオススメを考えていこう。
P-one wizは還元率は高いけどシンプル度と汎用性は少し微妙

P-one wizは還元率に関しては今回紹介したカードの中では最も高い水準となっており、還元率を重視する人にとってはかなり最適解に近いカードなのではないだろうか。
しかし、電子マネーチャージやETCカードの利用分が還元の対象外になっていたり、ポイントの有効期限があまり長くなかったりと、使いづらい点も複数ある事は無視できない。(あと、簡単に対策できるとはいえリボ払い専用カードというのが情報発信者としては怖い)
総じて、電子マネーやETCカードをあまり使わない人で、還元率のためならある程度の手間は許容できるという人にこのカードはオススメできる。
Likemeカードはシンプルかつ汎用性高め

Likemeカードはとにかくシンプルさを求める人向けのカード。
幅広い用途に利用可能で、キャッシュバック式だからポイントを管理する必要なし。更に付帯保険や利用通知機能も付いていると、全体的に特に目立った不満点がない。
強いて言えば今回紹介したカードの中では還元率が一番低いが、それでも1.0%はあるのでそこまで問題にはならないだろう。
「還元率はそこそこでいいからとにかく楽なカード」を求める人にはこのカードをオススメしたい。
リクルートカードは全体的に高得点の優等生

リクルートカードは一部電子マネーのチャージに対応、基本還元率1.2%、ポイントは使いやすく付帯保険も充実と幅広い項目で高得点を叩き出している。
国際ブランドによって電子マネーチャージや機能面が異なってしまうという残念な点はあるものの、「なるべくシンプルなのがいいけど還元率も重視したい」という人にオススメ。
何事もシンプルがいい

と、いうわけで3つのカードを検討してみたがいかがだっただろうか。
結局クレジットカードやポイントとかはあくまで+αの豊かさをもたらすものでしかなく、拘ったところで何か劇的に変化するようなものではない。
であれば、ここに労力を割かずに別の事にリソースを注ぐというのは間違っていない。と思う。これからもあまり深く考えすぎず、気軽にキャッシュレスライフを楽しんでいこう。
というわけで、今回の記事はここまで。最後まで見てくれてありがとう。